ヌーロサウルスは、白亜紀の中国に生息していた大型の草食恐竜です。ここではヌーロサウルスの基本的な情報から発見された場所と化石、特徴と分類、名前の由来などをご紹介します。
ヌーロサウルスの基本情報
属名 | Nurosaurus |
種名(種小名) | Nurosaurus qaganensis |
分類 | 竜脚類 > ヌーロサウルス属 |
生息時代 | 白亜紀前期(約1億3,000万年前) |
体長(推定) | 約25m |
体重(推定) | – |
生息地 | 中国 |
食性 | 植物食 |
ヌーロサウルスの大きさ比較
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ヌーロサウルスの概要
ヌーロサウルスは、白亜紀前期に現在の中国・内モンゴル自治区に生息していた大型の草食恐竜です。全長は約25メートルで、アジア最大級の竜脚類とされています。1985年に発見された化石は、全身の約7割が揃っており、学術的にも価値が高い標本です。
ヌーロサウルスが発見された場所と化石
ヌーロサウルスは、中国の内モンゴル自治区にあるチャガン・ノール(現地の言葉で「湖」の意味)という地域で発見された恐竜です。1985年、炭酸塩鉱床の発掘作業中に比較的保存状態の良い化石が見つかりました。
このとき発見されたのは、全身骨格のおよそ70%にあたるもので、竜脚類としては極めて貴重な資料といえます。特に左後脚の指骨には疲労骨折の跡があり、恐竜にも現代の動物と同様に、骨に負荷がかかることで損傷する可能性があったことを示す重要な証拠となりました。
頭部の化石は一部にとどまりますが、見つかった歯の形状などから、近縁のカマラサウルスに似た特徴を持っていたと推定されています。なお、ヌーロサウルスの発見地層は白亜紀前期にあたるとされ、約1億3000万年前の地層と考えられています。
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ヌーロサウルスの特徴と分類
ヌーロサウルスは、全長およそ25メートルにもなる大型の草食恐竜で、竜脚類の中でもアジア最大級とされています。長い首と尾、四足歩行の体型など、いわゆる典型的な竜脚類の姿をしていたと考えられています。
分類上は、竜盤目の中の竜脚形亜目に属し、初期にはカマラサウルス科と考えられていました。ただし、骨格の一部にはより進化したティタノサウルス形類との類似点も見られ、現在では分類が再検討されつつあります。
- 目 : 竜盤目 (Saurischia)
- 亜目 : 竜脚形亜目 (Sauropodomorpha)
- 属 : ヌーロサウルス属 (Nurosaurus)
また、正式な学名としてはまだ記載されておらず、あくまで「ヌーロサウルス」は暫定的な呼称に過ぎません。これにより、研究者の間では慎重な扱いが求められている点も見逃せません。
ヌーロサウルスの名前の由来
ヌーロサウルスという名前は、化石が発見された場所「チャガン・ノール」に由来しています。「ノール」はモンゴル語で「湖」を意味し、「ヌーロサウルス」は直訳すると「湖のトカゲ」となります。かつては「ヌオエロサウルス」という名で知られていましたが、漢語訛りであるとの批判を受け、1992年以降、より現地発音に近い「ヌーロサウルス」へ種小名のスペリングも「qaganensis 」と変更されました。ただし、正式な学名は今も未記載のままです。