ステゴケラスは、白亜紀の北アメリカに生息していた草食恐竜です。ここではステゴケラスの基本的な情報から発見された場所と化石、特徴と分類、名前の由来などをご紹介します。
ステゴケラスの基本情報
属名 | Stegoceras |
種名(種小名) | S. validum |
分類 | 鳥盤類 > 堅頭竜類 > パキケファロサウルス科 |
生息時代 | 白亜紀後期(約7,750万~7,400万年前) |
体長(推定) | 約2~3メートル |
体重(推定) | 約10~40キログラム |
生息地 | アメリカ、カナダ |
食性 | 植物食 |
ステゴケラスの大きさイメージ
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ステゴケラスの概要
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ステゴケラスの特徴
ステゴケラスは、白亜紀後期に北アメリカで暮らしていた小型で二足歩行の恐竜です。体長は約2〜2.5メートル、体重は10〜40キログラムほどで、現代のヤギに近いサイズでした。
最も特徴的なのは、厚く盛り上がったドーム状の頭骨で、この部分は緻密な骨でできており衝撃に耐えやすい構造をしています。
このドームは、群れの中での順位争いや異性へのアピール、あるいは種を識別するために役立ったと考えられています。一方で、頭突きのような激しい接触に使われたかどうかは議論が続いており、研究によっては側面からの打撃や視覚的ディスプレイが主な用途だった可能性も指摘されています。
歯は小さく鋸歯状で、植物を中心に昆虫や小動物も食べていた可能性があります。後肢は発達しており、素早く走ることに適していました。
また、ステゴケラスは嗅覚が優れていたと考えられており、食べ物の探索だけでなく、仲間や捕食者の匂いを嗅ぎ分けたり、縄張りや繁殖行動にも嗅覚を活用していた可能性があります。

ステゴケラスが発見された場所と化石
ステゴケラスの化石は、主にカナダのアルバータ州で発見されています。特にダイナソーパーク層やオールドマン層からは、多くの保存状態の良い標本が見つかっており、その中には頭骨だけでなく骨盤や四肢の一部も含まれています。
初めての発見は1898年、カナダの古生物学者ローレンス・ラムによるもので、レッドディア川地域の地層から部分的な頭骨が採集されました。その後、1920年代にはほぼ完全な頭蓋骨と骨格が見つかり、この恐竜の全体像が明らかになっていきました。
現在では、アメリカ西部のモンタナ州・ニューメキシコ州でも化石が見つかっており、北米大陸内で比較的広い分布を持っていた可能性が示されています。
発見場所:カナダ アルバータ州 レッドディア川
ステゴケラスの名前の由来
ステゴケラスという属名は、ギリシャ語の「stegē(屋根)」と「keras(角)」を組み合わせたもので、「角のある屋根」という意味があります。この名称は、厚く盛り上がった頭骨の形状を屋根にたとえたものです。
模式種の学名は Stegoceras validum(ステゴケラス・バリダム)で、種小名の「validum」はラテン語で「強い」を意味し、頑丈な頭骨を象徴しています。命名は1902年にローレンス・ラムによって行われ、当時は頭骨の一部しか知られていなかったため、その機能や生態は長く不明のままでした。
のちの研究で、他の類似種と混同された経緯や再分類が繰り返され、現在は数種のみが有効とされています。
ステゴケラスの分類
ステゴケラスは、恐竜上目の鳥盤目に分類され、堅頭竜下目(パキケファロサウルス類)の一員です。
より細かく分けると、パキケファロサウルス科ステゴケラス属に位置づけられ、パキケファロサウルスやプレノセファレと近縁関係にあります。分類上は、ドーム状頭骨を持つ「完全型」パキケファロサウルス類の中でも、比較的原始的な形態を残す種と考えられています。
この系統的位置づけは、頭骨の形態だけでなく、歯列や骨盤構造など複数の特徴から裏付けられています。
- 目 : 鳥盤目 (Ornithischia)
- 下目 : 堅頭竜下目 (Pachycephalosauria)
- 上科 : ホマロケファレ上科 (Homalocephaloidea)
- 科 : パキケファロサウルス科 (Pachycephalosauridae)
- 属 : ステゴケラス属 (Stegoceras)