エウクネメサウルス(Eucnemesaurus)- 恐竜図鑑

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エウクネメサウルスの基本情報

学名Eucnemesaurus
分類竜脚形類 > 原竜脚下目 > リオジャサウルス科 > エウクネメサウルス属
生息時代三畳紀後期(約2億2800万年前~約2億130万年前)
体長(推定)約8m
体重約1300kg
生息地南アフリカ
食性草食

エウクネメサウルスの大きさ比較

エウクネメサウルスの概要

エウクネメサウルスは、三畳紀後期の南アフリカに生息していた原始的な草食恐竜で、体長約8m、体重約1300kgに達する大型の竜脚形類です。当初は大型肉食恐竜「アリワリア」と誤認されていましたが、後の研究で竜脚類に分類され、独立した属として再評価されました。

エウクネメサウルスが発見された地層と標本

エウクネメサウルスの化石は、南アフリカのフリーステート州スラバーツ地区にある「下部エリオット層」という地層から発見されました。これは、三畳紀後期の堆積物が広がる地質層で、同時代に生息していた恐竜やその他の動物の化石も多く見つかっている場所です。

この地層で発見されたエウクネメサウルスのホロタイプ標本(TrM 119)には椎骨や骨盤の一部、脛骨、大腿骨などが含まれており、当時の大型草食恐竜の姿を知る貴重な資料となっています。

ただし、この地層で見つかる化石の多くは断片的で、全身骨格が完全にそろっているケースはほとんどありません。そのため、復元には慎重な比較研究や再評価が必要です。

「良い脛骨のトカゲ」命名の由来とは

エウクネメサウルスという名前は、ギリシャ語の「eu(良い)」と「kneme(脛骨)」、そして「saurus(トカゲ)」を組み合わせて名付けられました。

これは、化石として発見された脛骨(すねの骨)が非常にがっしりとしており、当時の恐竜の中でも特に目立つ特徴だったことに由来します。例えば、ホロタイプ標本とされるTrM 119では、2本の脛骨が見つかっており、どちらも頑丈でしっかりとした構造をしていました。

https://ja.wikipedia.org/

化石の再評価で明らかになった分類

エウクネメサウルスの分類は、発見当初から現在にかけて大きく変化してきました。初めて化石が見つかった際には、大腿骨の大きさや一部の骨の特徴から、大型の肉食恐竜だと考えられ、「アリワリア・レックス」という別の属名で記載されました。しかし、これは誤った分類であることが、後の研究によって明らかになります。

その後の化石再評価では、上顎骨と大腿骨が同じ個体に由来しない可能性が指摘されました。特に上顎骨は明らかに肉食恐竜のものであったのに対し、大腿骨や脛骨の特徴は草食性の原始的な竜脚類のものだったのです。このため、アリワリアは「キメラ化石」、つまり異なる動物の骨が混同された標本だったとされ、疑問名として扱われるようになりました。

一方で、草食恐竜の特徴を持つ骨については、改めて「エウクネメサウルス」という属名で分類され、現在ではリオジャサウルス科という原始的な竜脚形類に位置づけられています。こうして、かつての誤認は解消され、学術的にも信頼できる分類が確立されるに至りました。

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